次世代のArm Neoverseが世界のインフラストラクチャを再定義
発表の概要
- Arm NeoverseのロードマップにNeoverse V2(コード名「Demeter」)を追加し、世界のコンピューティング・インフラストラクチャの新時代をリード
- Neoverse V2は、クラウド、ハイパースケール、HPCのワークロード向けに、スレッドあたり性能でリーダーシップを発揮することを目指した最新版Armコア
- クラウド、5G、HPC、エッジ分野のリーダー各社が、次世代インフラストラクチャ・ソリューションのコンピューティング基盤としてArm Neoverseを選択
英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)はこのたび、スケーラブルな効率性とテクノロジーのリーダーシップを基盤としたArm® Neoverse™ロードマップの新たな追加要素を発表しました。これにより、パートナーの迅速かつ継続的なイノベーションをより強力に後押しします。
Armのインフラストラクチャ事業部門シニア・バイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーであるクリス・バーギー(Chris Bergey)は、次のように述べています。「世界のコンピューティング・インフラストラクチャを再定義し変革するArm Neoverseのパフォーマンス、電力効率、用途特化型の演算、ワークロード・アクセラレーションに対する業界の注目は高まるばかりです。私たちは世界最大級のコンピューティング・フットプリントを擁し、あらゆる演算分野を網羅して独自の知見を確立しています。新時代のインフラストラクチャ・テクノロジーには、パフォーマンスと効率性というArmのDNAが必要とされます。このたびのNeoverseロードマップの拡充によりそれを実現する準備が整い、Armが未来のインフラストラクチャを支える基盤となることを確信しています」
単なる進化にとどまらず、本当に必要とされるものを追求する
ハイパースケールやHPCの顧客からの要望をサポートし、消費電力と実装面積の上昇を伴わずにクラウドのワークロード性能をさらに高めるために、Armは最新版Vシリーズコアと、広範な導入実績を持つArm CMN-700メッシュ・インターコネクトを備えたNeoverse V2プラットフォーム(Demeter)を発表しました。このNeoverse V2は、クラウドとHPCのワークロード向けに市場をリードする整数演算性能を提供し、Armv9アーキテクチャの複数のセキュリティ強化機能も導入されます。
現在は、すでに複数のパートナーがNeoverse V2ベースの設計に着手しています。その一例として、NVIDIAは、データセンターCPUのGrace向けのコンピューティング基盤としてNeoverse V2を活用しています。Graceは、Neoverse V2の電力効率とLPDDR5Xメモリの電力効率をともに活用することで、従来型アーキテクチャによるサーバーとの比較で2倍のワットあたり性能を達成する予定です。
さらに、効率的なパフォーマンスおよびスループットに向けた継続的な投資の一環として、Armは次世代Nシリーズ製品の開発を進めており、パートナーへの提供は2023年を予定しています。この次期NシリーズCPUは、市場をリードする効率性を誇るN2を上回るパフォーマンスと効率性の進化を実現します。
Neoverse EシリーズCPUは、データプレーン処理、5G RAN、エッジ・ネットワーキング、アクセラレーターなど、極めて多様な用途に対応します。こうした汎用性をサポートするために、Arm Cortex®-A510 CPUとスケーラブルなNeoverse CMN-700およびN2システム・バックプレーンを組み合わせたNeoverse E2プラットフォームを提供しています。これにより、スケーラブルなコア数の範囲、SystemReady互換、PCIe、CXL、IO、各種インターフェイスなど、制約のあるアプリケーションにおいて最良のクラウド技術を利用することができます。
Neoverseプラットフォームは、アクセラレーション対応のインフラストラクチャ・ソリューションのあらゆる製品に対応できるよう特別設計されています。用途特化型演算はワークロードの消費電力を削減し、現代のワークロードで求められる高い演算要件に対応する解決策となります。しかしそれは、コアだけで実現するものではありません。
Armで稼働するクラウドネイティブ・ソフトウェア
すべての主要なクラウドプロバイダーがArmベースのインスタンスを提供する中、私たちはクラウドパートナーとの協業を通じて、クラウドネイティブなソフトウェア・インフラストラクチャ、フレームワーク、ワークロードの最適化を行っています。具体的には、Kubernetes、Istio、およびArmアーキテクチャ向けにネイティブビルドを提供する複数のCI/CDツールなど、広く採用されたプロジェクトへの貢献が含まれます。また、TensorFlowなどの機械学習フレームワークやオープンソース・データベース、ビッグデータおよびアナリティクス、メディア処理などのクラウドソフトウェア・ワークロードを強化しています。こうした取り組みは、オープンソース・コミュニティに貢献する開発者とのコラボレーションで行われており、すべてのエンドユーザーは、Armベースで次世代アプリケーションを開発することが可能となります。
Armのソフトウェア・エコシステムの強みが、NeoverseプラットフォームおよびAMBA CHI、UCIe、CXLなどの主要な高性能ファブリックの能力と組み合わされることで、Armパートナーは、クラウドからエッジまで網羅したカスタマイズソリューションを開発することができます。
他のテクノロジープロバイダーでは、これほどのスピード、幅、技術革新を同時に達成することはほぼ不可能といえます。Armパートナーと開発者による強固なエコシステムが、未来のシステムを迅速に構築していきます。
クラウドからエッジにまたがるカスタマイズソリューション
Neoverseベースのプラットフォームは、市場をリードするスケーラブルな効率性を発揮し、インフラストラクチャのあらゆる領域でイノベーションを可能にする自由度とともにパートナーに提供することで、クラウドコンピューティングの可能性を再定義しています。その結果、2018年の誕生以降、Neoverseの採用は急速に進んでおり、現在では、すべての主要なパブリッククラウドがNeoverseベースのインスタンスを提供しています。
5G RANとワイヤレス・インフラストラクチャの分野では、消費電力の低減とスループットの向上を通じて先進的なパフォーマンスを実現し、TCOの面で重要なメリットをもたらしています。これによりArmパートナーは、スモールセルからマクロセル、プライベート・ネットワークなど、さまざまなアプリケーションとユースケース向けに製品をカスタマイズできます。Arm 5G Solutions Labを通じて、ArmはDish Wireless、Google Cloud、Marvell、NXP、Vodafoneなど5Gエコシステムのリーダー各社と協力し、Armベースの包括的な5Gネットワークを推進しています。
さらにArmは、Ampere AltraベースのHPE Proliant Gen11プラットフォームの提供開始や、VMwareのProject Monterey、RedHatによるOpenShift on Armのサポート、SAP HANAによるクラウド・インフラストラクチャのArmベースAWS Gravitonへの移行など、各種の取り組みを通じて従来型のエンタープライズ領域へも進出しています。
Armについて
Armは、業界最高の性能と電力効率に優れたコンピューティング・プラットフォームであり、コネクテッドな世界における人口の100%に貢献する比類のないスケールを備えています。Armは、演算に対する飽くなき需要に応えるため、世界をリードするテクノロジー企業に先進的なソリューションを提供し、各社がAIによるかつてない体験や能力を解き放つことができるよう支援しています。世界最大のコンピューティング・エコシステムと2,000万人のソフトウェア開発者とともに、私たちはArm上で築くAIの未来を形作っていきます。
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