Arm CPUアーキテクチャ:どこでもコンピューティングを実現する基盤

Architecture Layer Diagram

Armアーキテクチャは、コンピュータ・プロセッサー向けのRISCアーキテクチャのファミリです。プロセッサー・アーキテクチャとしては、世界で最も普及しており、各種センサーからウェアラブル端末、スマートフォン、スーパーコンピュータに至るまで、毎年数十億個ものArmベース・デバイスが出荷されており、過去30年間にパートナーが出荷したArmベースのチップは2,800億個を超えています。Arm CPUアーキテクチャには、以下のメリットがあります。

  • 統合型のセキュリティ機能
  • 高いパフォーマンスとエネルギー効率
  • 大規模なエコシステムによる、グローバルなサポート
  • さまざまな市場と場所で広く普及

Armアーキテクチャは幅広いマイクロアーキテクチャにより実装され、広範な消費電力、性能、領域ポイントにまたがり、ソフトウェアの互換性を確保します。

 

  • CPUアーキテクチャは、基本的な命令セット、ならびにオペレーティングシステム(OS)とハイパーバイザーに依存する例外モジュールおよびメモリーモジュールを定義します。
  • CPUのマイクロアーキテクチャは、プロセッサーの設計を定義し、消費電力、性能、領域、パイプラインの長さ、キャッシュレベルなどを網羅して、アーキテクチャ契約に実装が適合する方法を定義します。

最新版Armアーキテクチャについて

アーキテクチャを進化させて、将来的なニーズに対応できるよう、Armは業界をリードするパートナー各社と常に協力しています。Armv9-Aは、Armv8-Aアーキテクチャの発展型であると同時に、現在進行中のプログラムの一環として、今後数年間でアーキテクチャの大規模な強化を予定しています。これらの機能強化では、デジタル信号処理(DSP)や機械学習(ML)などの分野で演算能力の向上をサポートすること、そして、私たちのシステムのセキュリティと堅牢性を継続的に向上させることを目標としています。

 

RプロファイルとMプロファイルに対応したArmの最新版アーキテクチャは、それぞれArmv8-RとArmv8-Mです。

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Armv9 - 次世代のARMアーキテクチャ

新しいArmv9アーキテクチャは、3,150億に及ぶ次世代Armベースチップの最先端を形成します。Aプロファイルアーキテクチャの最新バージョンであるArmv9-Aは、これまで以上に優れた性能を提供し、セキュリティを強化しています。主な特長は次のとおりです。

 

  • Advanced SIMDとScalable Vector Extension 2(SVE2)
  • AArch32とAArch64
  • Realm Management Extension

柔軟かつスケーラブルなアプローチ

Armは現在、ArmアーキテクチャとCortex/NeoverseシリーズのプロセッサーIPによる独自の実装を提供していますが、グローバルなエコシステム内でも、数多くの企業がそれぞれ独自の実装を開発しています。

 

アーキテクチャ・プロファイルとしては、以下の3種類を提供しています。






CPUアーキテクチャのプロファイル
Aプロファイル(アプリケーション)
全アーキテクチャ・プロファイルの中で最高性能

Rプロファイル(リアルタイム)
リアルタイム要件のシステム向けに最適化

Mプロファイル(マイクロコントローラ)
小型・低消費電力・高エネルギー効率のデバイス向けに設計

実装 ArmプロセッサーIPの種類:
Cortex-A
NeoverseCortex-X
ArmプロセッサーIPの種類:
Cortex-R
ArmプロセッサーIPの種類:
Cortex-M
特長
  • 全アーキテクチャ・プロファイルの中で最高性能
  • 高エネルギー効率
  • リッチOSの実行に最適化
  • リアルタイム要件のシステム向けに最適化
  • 小型・低消費電力・高エネルギー効率のデバイス向けに設計
最新版 Armv9-AとArmv8-A Armv8-R Armv8-M
ユースケース PC、ノートパソコン、スマートTV、サーバー、ネットワーキング機器、スマートフォン、オートモーティブのヘッドユニット、クラウドストレージ、スーパーコンピューターなど、複雑な演算アプリケーション領域。 医療機器、自動車のステアリング、ブレーキ、信号、ネットワーク、ストレージ機器、組み込み制御システムなど、安全性を重視するアプリケーションや確定的な応答が必要なアプリケーションにおけるリアルタイム応答要件。 エネルギー効率、消費電力、サイズの優先。セキュリティ・プロセッサー、IoT、組み込みデバイス(ウェアラブル端末等)、小型センサー、コミュニケーション・モジュール、スマートホーム製品

 

それぞれのプロファイルを使用することで、異なる環境やユースケース向けにアーキテクチャを最適化できます。システム・オン・チップ(SoC)は、特定の製品クラス向けに設計されることが多く、複数のプロセッサーを採用し、異なるアーキテクチャ・プロファイルを実装することで、製品のエネルギー、パフォーマンス、セキュリティのニーズに対応しています。

新たな発見アーキテクチャについて– Armが提供する入門テクニカルガイドのライブラリで、Armアーキテクチャの詳細をご覧いただけます。

その他のArmアーキテクチャ

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シリコンIP: CPU

ArmのCPUプロセッサーは、最も広範なプロセッサーコアを提供し、すべての性能、消費電力、コストに対する要求に対応しています。業界をリードするCortex-Aシリーズ、超低消費電力のCortex-Mシリーズ、リアルタイムCortex-Rシリーズ、サーバー対応のNeoverseシリーズ、SecurCoreシリーズ、および機械学習ソリューションを含みます。

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Arm MaliメディアIPにより、スマートフォン、タブレット、テレビ、ウェアラブルといった増大する数多くのモバイルデバイスやコンシューマー向け機器全体で、電力効率のよい高性能のメディア処理が可能になります。