強力で効率的なコンピュテーショナル・ストレージ
生成されるデータ量は、驚くべきことに毎年27%ずつ増えると予想されています。loTなどのアプリケーションによって、管理がますます難しくなる量のデータが生成されています。loTの導入をさらに加速するには、データ分析の結果を可能な限り早く生成しなくてはなりません。このような課題を考えると、もはやクラウドのみでのデータ処理では十分でないことは明らかです。
コンピュテーショナル・ストレージは、in-situ (その場での)処理またはストレージ内コンピューティングとも呼ばれ、高性能コンピューティングを従来のストレージデバイスにもたらします。データが生成および保管される場所でデータの処理と分析を行うことができ、ユーザーや企業はすぐに使用できる重要なデータ分析の結果をデバイスレベルで抽出できます。
セキュアでエネルギー効率のよいスマートストレージ
従来のストレージシステムよりも優れているコンピュテーショナル・ストレージ・ドライブ(CSD)には、次のような利点があります。
- レイテンシーの削減: データが作成および保存されている場所でそのデータを分析することで、分析結果をほぼリアルタイムで生成できます。
- 帯域幅と電力効率: データセンター内のサーバーのワークロードを削減すると、運用コストと冷却コストの削減につながります。
- セキュリティとプライバシーへのコンプライアンス: 集約して処理するためにデータをドライブに残し、通信における脆弱性の軽減を図ります。
- 柔軟性と拡張性: 追加されたストレージ・インフラストラクチャを追加することで性能を容易に拡張し、さまざまなストレージアプリケーションに対応する柔軟なソリューションを作成することができます。
Armでは、当社の低電力かつ高性能のプロセッサー、ソフトウェアスタック、およびLinuxエコシステムの開発者ツールを備えた、どのソリューションよりも使いやすく、高速で、コスト効率の高いコンピュテーショナル・ストレージ・ソリューションを提供しています。
コンピュテーショナル・ストレージ・ドライブをぜひご利用ください
この読みやすいガイドには、設計者、開発者、および製造者に向けたコンピュテーショナル・ストレージの概要が記載されています。NVMeベースドライブを含む、Armパートナーによるコンピュテーショナル・ストレージのデプロイ方法や、ストレージデバイスに実装する際の注意点に関する実例をご紹介しています。
さまざまな業界におけるコンピュテーショナル・ストレージの適用例
生成されるデータ量が爆発的に増加し続けるのに伴い、有意義な分析結果を可能な限り迅速に得る必要があります。以下の一般的なユースケースでは、コンピュテーショナル・ストレージを実装した場合に有意な効果があることが明らかになっています。
データベースの促進
ストレージデバイスでの強力なコンピューティングによって、データベースの検索と操作をデータ上で直接実行できるようになり、タイムリーなデータ分析の結果の提供とデータセキュリティが促進されます。
画像分類
サイズの大きな画像ファイルを移動させることなくコンピューティングと機械学習を実行する機能によって、帯域幅とレイテンシーが削減され、リアルタイムでの識別と分類が可能になります。
エッジコンピューティング
データ付近で実行される高性能エッジコンピューティングは、非常に複雑なデータワークロードの場合でも、データ分析にかかる時間を最短にすることが可能です。
スマート・ストレージ・アプリケーション対応のArmテクノロジー
Cortex-R82
Cortex-R82は、MLワークロードを高速化するためのArm Neonテクノロジーと、リッチOSを実現するためのメモリ管理ユニット(MMU)をサポートしています。この高性能Cortex-R82プロセッサーは、データストレージの発展を後押しします。
Cortex-A55
Arm Cortex-A55は、当社の最も強力で高効率のミッドレンジCortex-Aプロセッサーです。柔軟性のある設計が施されており、コスト効率が高く、エネルギー効率のよいストレージデバイスに幅広く展開されています。
NIC-450
Arm CoreLink NIC-450は、幅広いストレージアプリケーションに導入されています。高性能でスケーラブルなSoC接続の構築を目的として設計されており、高度にコンフィギュラブルで低レイテンシーのトポロジを提供します。
Armパートナーからの声
「私たちは、4TB以上のデータが、1台の自動運転車から毎日生成されるようになると考えています。アップロードが必要なデータを決定する上で、事前処理は欠かせません...[そして]コンピュテーショナル・ストレージは、この事前処理を最も効率よく生産的な方法で管理する素晴らしいツールです。」
Marvell、フェロー兼Marvell CTO Officeアーキテクチャおよびソリューション担当副社長、Noam Mizrahi氏
エキスパートに聞く
貴社のデバイスやシステムにコンピュテーショナル・ストレージを首尾よく実装するために、Armのテクノロジー、サポート、エコシステムがどのように役立つのかをご説明します。
関連情報
Computational Storage Technical Work Group(TWG)を含むStorage Networking Industry Association(SNIA)の一員であることを、誇りに思います。